第75回春まで楽しむ!「秋冬の寄せ植え」
みなさん、こんにちは!
園芸研究家の矢澤秀成です。
タイムさんでは、今秋も「寄せ植えフォトコンテスト」の
作品募集が始まりましたね。
ビギナーの方から上級者さんまで
いろんな作品が集まるので
私も毎回、審査をしながら楽しませてもらっています。
鉢を使うだけじゃなく、
バスケットでナチュラルな雰囲気を演出したり、
DIYでオリジナルのプランターを製作したり、
みなさんのアイデアや情熱には圧倒されます!
今度は、どんな作品に出あえるのか
とても期待していますよ。
ということで、第75回は、
「秋冬の寄せ植え」のポイントについて
お話したいと思います。
目次
1:寄せ植えは、まず鉢選びから!
寄せ植えを楽しみたいと思ったら
まずは、お気に入りの「鉢」を選ぶこと。
花を選んでから鉢を選ぶのではなく
鉢やプランターを選んでから花を選びましょう。
そうしないと、花を何株買えばいいか
決まらないでしょう?
素材はプラスチックでも、素焼きでも、
ご自分の扱いやすいもの、
軽さや質感で選んでも大丈夫です。
売り場でお気に入りの鉢を選んで、
作りたい寄せ植えのイメージを
ふくらませていきましょう。

次に、大切なのが色選び。
色はね、結構重要なんですよ。
白っぽいのがいいのか、
赤茶系がいいのか、
黒もオシャレですよね。
ここで、知っておくと役立つのが
色合わせの極意「補色の関係」です。
たとえば、黄色と青紫、赤色と青緑など
補色同士を組み合わせると
お互いを引き立てあうから
「映える」んですね。
つまり、パンジー・ビオラが黄色や白系だったら、
鉢はちょっと黒っぽいのが合う。
そういう色合わせの知識も
勉強しておくと、とっても役立ちますよ。
2:花苗を選ぼう!
ホームセンターで鉢を選んだら
それを買い物カートにのせて、
苗売り場に移動しましょう!



次は、花苗やリーフたちを選んでいきますよ。
このとき、考えてもらいたいことは
寄せ植えしたい植物それぞれの好む生育環境が
似ているかどうか、ということ。
よく似た性質の植物を組み合わせることで
なが〜くラクに楽しむことができます。
これから冬に向かうので
どれくらいの寒さまで耐えられるのか、
また、日照条件など
それぞれの植物が
どんな環境が好きなのかを調べて
同じような環境が好きな植物同士を
選ぶと育てやすいですよ。
加えて、水やりや施肥の頻度など
メンテナンスのタイミングも
似ていると、よりお世話しやすいです。
植物を選んだら、次は
カートにのせた鉢の中に
花苗を置いてイメージしてみましょう。




植えるときには隣の苗と
少し間隔をあけて植えた方がいい苗なのか、
ギチギチに詰めても大丈夫なのか、
そういう性質や育て方も調べながら
鉢の中に苗を置いて考えます。
だいたいの目安は
6号鉢に3〜4株ぐらい。
だけど、横にしっかり広がるものを
詰めて植えると植物同士がぶつかってしまうので
そういう植物は増えることを想像して
隣の植物との間隔をあけて植えます。

もちろん、色あいもチェックしてくださいね。
鉢に置いてみて、
色が合わないと感じたら別の色に変えましょう。
高さもチェックしたいですよね。
背の高いものが後ろ側になるようにして
手前には低いものを並べます。
たとえば、寄せ植えの芯になるような
背の高いものを中心に入れます。
エリカやエレモフィラ、
サザンクロス、コニファーなどを
ちょっと深めの鉢の中央に立てて使うと
立体感のある、豪華な寄せ植えになりますよ。





ラウンド型の鉢なら
全部同じ高さにしてもカワイイですよね。
色も、全部同じ系統の色で揃えてもキレイです。
ハンギングの鉢の場合は
ヘデラなど、何か垂れ下がるような植物を入れると、
上下に流れが出てオシャレな雰囲気になりますよ。


3:水はけの良い土に植えよう!
続いて、寄せ植えに使う土についてお話します。
寄せ植えには絶対!
「水はけの良い土」を使いましょう。
市販の培養土でもいいんですが
その場合、パーライトを
全体の5%ほど混ぜると
水はけがぐ〜んと良くなりますよ。

ハンギングの場合には
ハンギング専用の培養土がオススメ。
パーライトをちょっと多めに入れて、
軽くしてあげる方法もありますが、
ハンギング用培養土の方が
軽いし、植物の根張りもいいんです。

苗を植え付けるときには
苗と苗の間に隙間ができないように
気をつけましょう。
でもね、これが結構、難しいんです。
隙間ができないように
小さいサイズの土入れを使って
上手に苗と苗の間の奥まで
土を入れてあげてくださいね。
私は、手の入りにくい細かなところは
割り箸を使って、満遍なく土を入れていきますよ。
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あとは鉢の大きさに対して、
土の量を調節します。
ウォータースペースが必要なので
土を入れるのは
鉢のフチから2 cmぐらい下がった位置まで。
この2cmぶんを空けておくことで
水やりのときに土が流出するのも防げます。
4:肥料は少なめに!
寄せ植えの場合、
肥料は、パッケージに書いてある基準量よりも、
ちょっと少なめに施します。
たとえば、液体肥料は通常、
1000倍に薄めて2週間に1回施しますが
寄せ植えに使う場合、
私は倍の2000倍に薄めて
1週間に1回施すようにしています。

結果的に与える量は同じになるんですが、
薄めにして、回数を多く施した方が
植物は吸収しやすいですよ。
薄めの液体肥料を与えながら
植物の様子を見て調整しています。
もちろん、緩効性化成肥料でもOKです。
この場合、用法・用量をしっかり読んでくださいね。
2か月に1回と書いてあるものだけじゃなく、
「1年効く」と書いてあるものもあります。
1年効く製品なのに、2か月に1回施してしまったら
やり過ぎになっちゃいますから
適量を守るようにしましょう。

5:球根と草花を一緒に植えよう!
上級者の方は、寄せ植えの中に
球根を上手に仕込ませますよね。
ダブルデッカーと言って、
1年草の苗と苗の間に、
ちょっと深めに球根を埋めていくのです。

特に、秋の寄せ植えは
球根を入れ込んだ方が面白いですよ。
いつ芽が出てくるかなぁ、と待つことが
日々の楽しみになります。
秋は、球根がたくさん出回る時期でもありますから
お好きな球根を選んで
寄せ植えに使ってみてくださいね。
球根と草花を一緒に植える場合、
気をつけたいことは
球根を花苗の真下に植えないようにすること。
苗と苗の隙間に植えるようにします。
苗の真下に球根を植えても
芽は出てくるんですけど、
たとえば、それがチューリップだったら
ビオラを浮かしちゃうことがあるんですね。
だから、球根は苗の真下じゃなくて、
隙間に植えた方がいいんです。
球根は、植える深さも大事ですよね。
チューリップは球根2個分の深さに植えるから、
7〜8 cmぐらい土がかかるように植えます。
クロッカスも球根2個分です。
球根を仕込もうと思ったら
鉢は、ちょっと深めのものを
選んだ方がいいですね。
6:春まで楽しむために!
寄せ植えは、季節の移ろいとともに
ちょっとずつリメイクして
楽しむこともできるんですよ。
たとえば、クリスマスまでは
赤い実がかわいいチェッカーベリーや
シルバーダスト、シルバーレースといった
シルバーリーフ系を使うと
クリスマスっぽいイメージになります。

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寄せ植え用のコニファーを
クリスマスツリーに見立てて
サンタさんやトナカイの小さなお人形を
ちょこんと置くのもいいですよ!
最近は、植物に使える粉雪みたいなスプレーも
流行っています。
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そのほか、ガーデンシクラメンの寄せ植えは
岡山・瀬戸内地域なら
秋冬から春までずっと楽しめますよね。
これに、葉ボタンとアリッサムを加えると
お正月の寄せ植えにリメイクできちゃう。
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秋に作っておけば、年末の忙しいときに、
背の高い葉ボタンを後ろに入れるだけで
お正月の雰囲気が出せるからオススメですよ。
もしも、年末が忙し過ぎて
「寄せ植えできなかった…」、
そんな場合も、あきらめないで。
1月下旬から2月下旬ぐらいに
ムスカリやヒヤシンスなどの
芽出し球根が売り場に並ぶので
これらを買って鉢に植え付け水苔で覆うと、
あっという間に、早春の寄せ植えができあがります。
寄せ植えはマイペースでいいですから、
好きな鉢・花を選んで
挑戦してみてくださいね。
第76回目は、ユーカリについてお話しします。
11月26日ごろ投稿ですので、次回もお楽しみに!
投稿日:2025年11月12日
