第74回旨い「ソラマメ」を育てたい!

みなさん、こんにちは!
園芸研究家の矢澤秀成です。
そろそろ、豆を植えるタイミングですね。
皆さんは、どの豆がお好きでしょうか。
私はね、ソラマメが大好きなんです。
塩ゆでが一般的かもしれませんが
私は断然、グリル派!
さやごと焼くのが一番好きです。
オーブントースターでも、
バーベキューでもいいんですよ。
ちょっと焦げたぐらいで、
あっちっち、って言いながら
さやの内側をスプーンでこそぎとって
ペロッて食べるのを
今から楽しみにしています。
あれが旨いんですよ!
しかも、ビールに合う!!!
ミネラルが豊富だから塩味がちょっとあってね、
ぜひ、お試しください。
今から育てれば、収穫はお花見の頃。
サクラに、焼ソラマメ、ビール!
私は、このために一年間、生きてるようなものですからね(笑)
ソラマメはとても育てやすく
プランターでも栽培できるし、
花もキレイです。
種からだって簡単に育てられますよ。
ということで、第74回は、
「ソラマメ」についてお話します。

目次
1:ソラマメについて
ソラマメはマメ科ソラマメ属の植物です。
原産地は、西南アジア〜北アフリカ。
発芽適温・生育適温は15℃〜20℃。
ちょうど樹木の落葉が始まる頃の気温なので
あまり暑い日が続くようだと
ソラマメのタネをまくには
ちょっと早いかもしれません。
あんまり暖かいと
ソラマメがぐ〜〜んと伸びてしまうのですが
ソラマメは伸びると寒さに
弱くなっちゃうという性質なので
ソラマメは、11月になってからまいた方が
いいかもしれないです。
通常は、10月頃にタネをまいて
葉っぱがちょっと出たくらいの状態で
冬を越させる準備をします。
だけど、このまま暑い日が続いたら
かなり伸び上がってしまい。
その状態で霜にあたってしまうと
苗がいたんで弱ってしまう可能性が高いです。
霜にあたると本当によくないので
もし伸び上がったら
なんらかの対処をしてください。
鉢やプランターなら屋根のある場所へ、
霜と寒風を避けられる場所に移動させてください。
畑だったらドーム状の苗キャップを使ったり、
2 リットルのペットボトルを切ってドームのかわりに
苗に被せたり、ビニール袋をかけたり、
霜と寒風を避ける工夫をしましょう。

2:人気の品種は一寸系!
日本では、大粒で1つのさやに2〜4粒ずつ実る
「一寸そら豆」の系統が多く出回っています。
「おたふく豆」とも呼ばれる系統ですね。
私も、一寸系の豆は皮まで旨いので好きですね。
一寸系は大きくなる大粒タイプが結構あります。
仁徳一寸とかね。
早生種もあるんですよ。
寒い地域は、やはり春先までじ〜っと我慢して
暖かくなってやっと出てくるような
晩生の方がいいでしょうが
瀬戸内エリアだったら霜がほとんど降りないでしょうから
早生でも大丈夫でしょう。
3:日当たり、水はけ、風通しのよい場所で育てよう!
ソラマメは、日当たりがよく
水はけ、風通しもよい場所で育てましょう。
ただし、プランターや鉢で育てる場合、
強過ぎる日差しや西日が
鉢の温度を上げてしまうと
土があたたまって株が弱るので
注意してくださいね。
タネから育てる場合は、
直まき、もしくはポリポットまきします。
9cmポリポットにつき1粒ですね。
畑の場合は、ふかふかの土壌に
土づくりをしてから直まきで大丈夫ですよ。
タネまきの際の注意点は、
必ず「お歯黒(黒い線のような部分)」を
下向きにして土に押し込むように植えること。
お歯黒部分から芽や根が出てくるので
タネの向きが、とても大切なんですね。
また、あまり押し込み過ぎないこと。
ちょっと見えるくらいに、浅くします。
タネをまいたら、しっかり水やりしてくださいね。
そして、ポリポットにタネをまいた場合は
上から新聞紙をかけたり、
畑に直まきした場合は藁を敷いたり、
水分を吸収しやすくする工夫をすると
発芽が早まりますよ。
発芽までの目安は3〜4日間。
新聞紙をかけたり、藁を敷いたりして
保湿することで
タネが柔らかくなり、発芽しやすくなります。
豆をかぶったまま芽が持ち上がってくる様子は
とってもかわいらしいですよ。
その後、本葉が2〜3枚出てきて、
草丈が7〜8 cmになったら植えつけましょう。
畑に植える場合は40 cm間隔に
2粒ずつ埋めます。
通常、豆は、2粒ずつまきます。
理由は、片方の芽が出ない場合があるから。
もしも1粒ずつまいて芽が出ないと
畑のスペースが空いちゃうからもったいないでしょう。
だから2粒植えをして、2本とも芽が出たら、
どっちかを抜いちゃって1つに絞ります。
もったいないですけどね。
苗から育てる場合は、
鉢植え(プランター植え)または地植えですね。
鉢植えの場合は
野菜用の培養土に植えつけたらいいですよ。

地植えの場合は、
苦土石灰で土を弱酸性に調整し、
ふかふかな土壌になるよう
土づくりをしてから。
30〜40cm間隔で植えつけましょう。
畝は、土の状態にもよりますが、
そんなに高畝じゃなくていいですよ。
10 cm以上の高さにする必要はありません。

注意点は、ソラマメは連作障害が出やすいので
3〜4年間は同じ場所でマメ科の野菜を
栽培するのは休みましょう。
他の豆をつくった後にソラマメを植えるのも
やめたほうがいいですね。
そして、畝の四隅に支柱を立てて、
キラキラ光るアルミのテープでぐるっと
支柱を取り囲みます。
豆のツルがうまく絡むように想像しながら、
テープを巻いてあげてくださいね。
春になったら枝がワッサワッサと分枝して
茎もぐ〜んと伸びてきますが
両側を固めてあることで倒れないんですよ。
ちなみに、このキラキラ光るテープは
アブラムシ除けも兼ねているんですよ。
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なお、ソラマメは高さ80 cmぐらい伸びてきますが
上を摘芯する(切る)から
支柱の高さは1 mぐらいで十分ですよ。
プランターの場合は、
プランター用の支柱を用意してくださいね。


4:冬を越えられるようにお世話しよう!
水やりについては、
タネまきや植えつけの時はたっぷり、
その後は、鉢植え・地植えともに
土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
ただし、水のやり過ぎには注意しましょう。
問題は冬越しです。
ソラマメは草丈が伸びてくると寒さに弱くなるので
株の周囲に、もみ殻や藁を敷いて、
防寒対策をしましょう。
決して、霜に当てないように。


不織布や白い寒冷紗で覆ってあげるのもいいですよ。
-5度くらいまでは耐えられるでしょう。


また、秋の霜もだけど、
春の霜害にも注意が必要です。
特に、春の方が弱くなっちゃってるから
注意してください!
春の霜害を防ぐには、
白い寒冷紗をかけること。
毎日、天気予報を見て、霜が降りるときには
白の寒冷紗や不織布をかけてあげましょう。
5:肥料は最初と3月に!
肥料については
タネまきまたは植えつけの2週間後に
粒状の緩効性化成肥料や有機質肥料を適量与えます。

その後は3月に1回、
緩効性化成肥料を適量まくことが大事。
忘れがちですけど、
3月の肥料を忘れちゃダメですよ。
ここから、ぐ〜っと伸びてくるんで
肥料は必須です。
心配なのは、
2月・3月の気温があたたかくなった場合。
肥料が間に合わないうちに
急に伸びちゃった、ということにならないよう
3月になったら、早めに肥料をあげた方がいいですよ。
6:整枝をしよう!
あたたかくなると
急に、ぐーんと伸びてきます。
草丈が30 〜40 c mになったら、
鉢・プランターで育てている方は
1株の枝が4〜5本になるように
畑で育てている場合は
1株の枝が6〜7本になるように
余分の枝を地面近くでカットして整えます。
茎の太さや葉っぱの様子など
状態のいい枝を下から選んで
それ以外を切るんです。
何もしないと1株から10本くらい、
たくさん枝が出てくるので
枝の数を少なく
6本ぐらいに絞ってあげましょう。
このあと茎はさらに伸びて
草丈60 cm〜80 c mまで伸びてきます。
そうしたら上を切って摘芯します。
こうやって実に栄養を集中させることで
さらに美味しくなりますよ。
花が咲いた後、
実ができて、上へ向いていたさやが
実の重さで下を向いてきたら
収穫のタイミングです。
色も、明るい緑色だったのが、
ちょっと暗い緑になります。
まぁ、実のふくらみは
触ってみればよくわかると思いますから
食べどきになったのを
順々に収穫して食べたらいいですよ。
さやの付け根をハサミで切って
収穫してください。
まあ、ちょっとくらい早くても
待てない人は味見してみたらいいよね。
7:気をつけたい害虫と病気
とにかく、アブラムシが大敵なんです。
ちょうど花が咲く頃に、
アブラムジがいっぱいつくんですね。
そして、その頃が、ちょうど摘芯の頃になるので
花とアブラムシをセットで取り除いちゃいましょう。
ソラマメの花はスイートピーみたいで、
すごくきれい!僕は大好きです。
でも、アブラムシがついたら、もったいないけど、
切るしかないんですよね。
そこで、アブラムシが近づかないように
アルミのテープを貼り巡らして
予防します。(3で説明済み)

そして、もし、発生したらすぐ取り除くこと。
見つけたら、すぐ捕殺です。
葉っぱの裏側も、よく見てください。
重曹スプレーをかけておけば、なおいいです。
ソラマメは、病気にはほとんどかからないので
アブラムシと霜対策、
この2つを頑張れば、きっと成功しますよ。
第75回目は、寄せ植えの楽しみ方についてお話しします。
11月12日ごろ投稿ですので、次回もお楽しみに!
投稿日:2025年10月22日