第47回料理に使える「ハーブ」を育てよう!
みなさん、こんにちは!
園芸研究家であり、
料理研究家でもある矢澤秀成です。
私にとって「ハーブ」は
大好きな料理に欠かせない食材です。
もちろん入浴剤やハーブティーなど
いろんな使い方で楽しんでいますが
自分で育てたハーブを使って
自分で調理して食べる。
これが、いいんですよ。
気持ちが豊かになりますよね。
そこで、今回は「ハーブ」第1弾として
代表的なハーブを使った
寄せ植えのお話をしたいと思います。
ハーブの寄せ植えなら、お庭がなくても
マンションのベランダでも楽しめますよ。
ひとつの大きな鉢に
どんなハーブを組み合わせたらいいのか
また、そのハーブはどんな料理に使えるのか、
楽しみながらハーブの世界を
一緒に探求しましょう。
目次
1:大きめの植木鉢・プランターを用意しよう!
まず、ハーブの寄せ植えに使う
鉢・プランターは
大きめのものを用意しましょう。
ハーブって、成長すると
かなり大きくなるんですよ。
また、ハーブは蒸れに弱いため
株と株の間を広めにとって
通気性を良くした方が育てやすいです。
なので、植木鉢・プランターはなるべく
大きいサイズのものを選んでください。
2:ハーブが育つ環境を整えよう!
まず、ハーブに適した土を用意しましょう。
ハーブは、水はけが良ければ
あまり土を選ばない植物なので
一般的な培養土で十分育ちますが
初心者の方は
ハーブ専用の土の方が成功しやすいでしょう。
3:相性の良いハーブを寄せ植えしよう!
料理に使えて相性が良く
育てやすいハーブの組み合わせ
といえば
バジル、ミント、ローズマリー、タイム、
パセリ、コリアンダー(パクチー)などでしょう。
バジル、ミント、ローズマリー、タイムは
シソ科のハーブ。
パセリ、コリアンダーはセリ科のハーブです。
これらを寄せ植えするときには
草姿のバランスを考えながら
植えつけます。
たとえば、
バジルは真っ直ぐ伸びる(直立する)タイプなので
中央か後ろ側に。
ミントは「○○ミント」という名前で
たくさん種類があり
それぞれ性質が異なるので
特性をしっかり検索してから
植えましょう。
這うタイプだったら鉢の手前の方において垂らすような感じ。
こんもりするタイプは鉢の横側か、
または後ろの方に植えた方がいいとかね。
スペアミントは、横にぐんぐん広がっていきます。
アップルミントやパイナップルミントは、ふわっと膨らむように育ちます。
ローズマリーは、木立ち性と這うタイプがあります。
木立ち性の真っ直ぐ伸びるタイプは後ろの方、
横に伸びるタイプは、横か手前に植えるなど
バランスを考えて植えましょう。
ローズマリーについては、
やがて大きくなるので
翌年には植え替えた方がいいでしょう。
タイムは、這うタイプなので
寄せ植えの場合は一番手前に植えた方が
横に広がって綺麗に垂れてきます。
花もピンクでかわいらしい。
すごく綺麗ですよ。
4:やや乾燥気味に管理しよう
鉢・プランターに植えたら
ハーブが好む環境を整えましょう。
ポイントは日当たりと風通し、水はけ。
日当たりの良い場所に置き、
蒸れないよう、
適度に切り戻し(摘み取り)ながら
乾燥気味な状態で管理します。
特に気をつけたいのは水やり。
寄せ植えの場合、
隣の株とぶつかるくらい距離が近いと
株の内側が日照不足になり
通気性が悪くなりがちです。
すると、蒸れて病気を招いたり
害虫の隠れ家となったりするので
やや乾燥気味に管理した方がいいと思います。
そして、適宜、剪定することが大事。
ハーブは夏場の蒸れに弱いので
できるだけ頻繁にハーブを使うことで
剪定をして
とにかく蒸れないように管理しましょう。
5:肥料は少なめに
ハーブは、そんなに肥料を必要としない植物なので
最初に土をしっかり作って
養分をしっかり入れてあげれば
あとは補足するぐらいで大丈夫です。
肥料をたくさん施すと
株がメタボ状になっちゃって
ゼロではないけど
強い香りが出なくなっちゃいます。
ハーブなので
できるだけ香り重視で育てたいですよね。
なので、
2か月に1回ぐらいを目安に
緩効性化成肥料を適量、パラパラッと
入れてあげるだけで十分ですよ。
切り戻し(摘み取り)のたびに、
緩効性化成肥料を軽くまく程度でもいいでしょう。
6:定期的に摘み取って風通しよく!
ハーブは、定期的に切り戻すことで
よく成長するようになるし
分枝を高めて葉っぱの数も増えてくるので
ハーブとしてしっかり使ってもらうことが大事だと思います。
バジルはバジリコソースにしておけば
冷凍保存もできます。
ミントは、ミントティーにしたり、
アイスにのっけたり。
ローズマリーは
収穫後、乾燥させますね。
ニオイ消しとして肉料理に使うだけでなく
私は風呂に入れ入浴剤として利用します。
2か月に1回ぐらい、伸びた枝をバサッと切って
布袋に入れてお風呂に浮かべると
すごく爽やかな感じになりますよ。
タイムは、私はフレッシュで肉料理に使います。
これもニオイ消しですね。
フレッシュで使うものは
その都度、摘めば大丈夫。
なお、ミントには
地下茎で増えて雑草化するものがあるので
庭に植える場合は注意が必要です。
たとえば横に増えるクールミントは、
ランナーを伸ばして、その先に根っこを落とすので
どんどん広がっちゃう。
あまり広がり過ぎないようにしましょう。
野生化すると隣の家まで侵入することもありますからね。
セリ科のパセリ、イタリアンパセリは2年草です。
1年目には花が咲かず、翌年、花が咲いて枯れますが
1年目から食べられます。
2年草なので翌年、トウがたつ(花が咲いてしまう)ことを
覚えておいてくださいね。
パセリはフレッシュで使うか
ジッパー式保存袋に入れて冷凍庫へ。
食べる際には、カチカチに凍った袋の上から
茎だけ出して、
綿棒などで叩いて粉々にします。
粉々にして
コーンスープにパラパラッと入れる。
あとは、刺身のツマにしますすね。
パセリは、できるだけ外側の葉っぱから
順々に取って食べましょう。
なお、パセリは2年草ですが
寒さに弱いので
霜に当たると溶けることがあります。
7:病気と害虫について
害虫で気をつけたいのは、
アブラムシとダニ、ヨトウムシです。
ヨトウムシがね、バジルを
バリバリと食べるんですよね。
夜のうちに葉っぱを食べられていたら
ヨトウムシの可能性が高いです。
ヨトウムシは、土を少しほってもらったら
コロンと出てきますから
見つけたら捕殺してください。
このヨトウムシなど、
目で見えるサイズの虫は捕殺しますが
アブラムシが大量発生した場合や
ダニなど、目に見えるかどうかくらいの
小さな虫が原因の場合、
私は、重曹殺菌剤をスプレーして対処しています。
1リットルの水に重曹1gを溶かして
0.1%の重曹殺菌剤を作り
スプレー容器に入れて
シュシュシュッとかけるだけ。
重曹のアルカリ成分がカビを死滅させる効果があります。
重曹にはグレードがあり、「薬用」、「食用」、「工業用」の3つに分けられます。
園芸用の重曹スプレーを使うのは、食用の重曹が一般的です。
重曹なお、ダニ予防には、水をスプレーするだけでも
効果があります。
最近は、食品成分由来の殺虫剤もあるので
用途・用法などをよく読んで
それらとうまく使い分けてもいいかもしれないですね。
葉にかじった跡がある、
毎日、葉が減っていく、
葉っぱがかすれたレース状になる、
このような場合は
害虫による食害が考えられるので
対処が必要です。
病気で気をつけたい症状としては
葉っぱが黒ずんだり、黄ばんだりした場合。
症状が軽いようならば
病変部分を切り取って廃棄すると良いでしょうが
重症の場合は、感染が広がらないよう
株ごと廃棄、しましょう。
パセリには、アゲハ蝶が寄ってくるので
いつのまにかアゲハ蝶の幼虫のイモムシが
いっぱいくっついているんですよね。
これは、アゲハ蝶になるイモムシだから
近所のお子さんにあげてもいいですよ。
捕殺ですね。
Q&A
Q:妊娠中ですが、ハーブを使った料理を食べても良いでしょうか?
A:子宮や胎児の成長に影響を及ぼす可能性があるとして、セージやローズマリー、シナモンなど、妊娠中には控えたほうが良いハーブ、禁忌とされるハーブがありますが、料理の香りづけ程度に少量使用する場合は問題ありません。しかし、1日に何杯もハーブティーを飲むなどハーブを過剰に取り過ぎないよう注意しましょう。また、妊娠中の身体は敏感になっていますので、ハーブの香りで気持ち悪くなった場合などは摂取を控えるようにしましょう。
Q:ハーブの葉っぱが黄色っぽくなった場合、どうしたら良いでしょうか?
A:葉っぱが黄色くなるといっても、状況によっていろんな原因が考えられます。症状がそんなにひどくなければ肥料不足が原因の場合も考えられますので、私はまず肥料を施します。しかし、枯れ方が深刻な場合や、肥料以外の場合は根がダメージを受けているかもしれません。
第48回目は、自然農法 についてお話しします。
7月10日ごろ投稿予定ですので、次回もお楽しみに!
投稿日:2024年6月26日