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矢澤先生によるコラム 教えて!矢澤先生!

育種家として第一線で活躍する
矢澤秀成さんによる園芸の旬な情報をお届け

第37回「葉ボタン」をもっと楽しむ!

みなさん、こんにちは!

園芸研究家の矢澤秀成です。

 

あっという間に1年が過ぎ

もうすぐクリスマス、そして、お正月ですね。

「葉ボタン」の準備はできていますか?

 

私は毎年、小さな葉ボタンとビオラを20〜30株使って

クリスマスのリースを作っています。

すっごくキレイに仕上がりますよ。

そのほか、お正月の門松に、玄関の寄せ植えに、

花壇の彩りに、葉ボタンは大活躍!

用途に応じてサイズや仕立て(形)、

色を選べるのも魅力です。

もちろん初心者でも育てやすいです。

 

なのに、葉ボタンを1年で捨てちゃってる人が

けっこう多いみたいです。2年は持ちますよ!

2年目は「踊り葉ボタン」といって

枝葉が踊っているような形になります。

頑張れば3〜4年でも楽しめます。

 

ということで、第37回は「葉ボタン」を

もっともっと楽しんでいただくためのお話です。

 

 

1:葉ボタンとは

葉っぱが「ボタンの花」に似ているので

「葉ボタン」と呼ばれるようになった、

ということからもわかるように

花びらのように見えるのは、すべて「葉」です。

 

学名はブラシカ・オレラシア。

ケールやキャベツと同じなんですね。

 

だから、食べられないこともないです。

バリバリして、、、マズいですけど、、、(苦笑)。

 

(市販されている葉ボタンには

多くの薬剤が使われているので食べないでください!)

 

 

2:どの葉ボタンを選ぶ?

「葉ボタン」の原産地はヨーロッパ西部ですが

日本では観賞用として

江戸時代の昔から育成され、

いまも進化を続けています。

 

品種改良の分野では、

日本が世界のトップです。

 

とにかく品種が豊富で多種多様。

 

「葉ボタン」選びで最も悩むのは

品種選びではないでしょうか。

 

葉の形では、丸弁(丸葉)が一般的でしたが、

最近は、フリフリと波打ったようなフリンジタイプや、

羽のように透かしの入ったフェザー(切れ葉系)タイプの

人気が出てきています。

ラッフル(フリンジタイプ)
フェザーレッド

それぞれのタイプに斑入りがあり、

丈の低い矮性種、

切り花としても使える背の高い高性種もあります。

 

さらに注目の品種は、

メタリック調のツヤのある質感が特徴の

光子ポラリスなど、「光子」シリーズを代表とする照り葉系。

照り葉系プラチナケール「ルシールワイン」
照り葉系プラチナケール「ルシールバニラ」

葉っぱに照りがあり、

発色がいいからキレイなんです。

黒光りするタイプ、

黒系の葉ボタンもあります。

 

ただ、テカテカした質感が独特なのでね。

照り葉系を活かすにはセンスが必要かな。

 

 

3:用途を決めて大きさを決めよう!

いずれの品種でも最近の主流は、

寄せ植えに使いやすい矮性種や、

1つの株からちっちゃい葉ボタンが

複数出ている「多粒まき」など

小さめの葉ボタンです。

矮性種「かもめ」
矮性種「つぐみ」
矮性種「紅くじゃく」

 

特に、リースや寄せ植えなら

矮性種や小さめタイプがベストですね。

 

お正月の門松や、庭に直接植えるなら

大きめのタイプになります。

 

ヨーロッパの花壇では

冬の彩りとして「葉ボタン」が使われるので

お正月以外でも、ぜひ使っていただきたいと思います。

 

花壇に使うのは、

直径15cmから20cmぐらいの

ちょっと大きくてどっしりしたタイプ。

正月の飾り用にも使えるし、

もっと大きいのは門松に植えます。

 

 

4:色と状態を見きわめよう!

株の状態としては

茎が太くて

葉の枚数が多いものがオススメです。

できるだけ発色のいいものを

選んだほうがいいと思います。

 

そして、赤系か白系か。

私が住んでいる軽井沢では、赤系を多く使います。

白は寒さに負けて凍って傷んでしまう場合があるからです。

赤系の方が寒さには断然強いです。

軽井沢でも平気なくらいです。

 

中四国地方でも、山間部など

寒い場所では白は注意した方がいいですね。

 

リースや寄せ植えなら、

寒い日は室内に入れることもできますが

花壇は移動できませんからね。

 

 

5:葉ボタンを植える土について

葉ボタンは、水はけと水もちに富んだ

有機質の土を好みます。

 

また、アブラナ科の植物なので

酸性は好きじゃありません。

 

土が酸性傾向だと、

今後の色づきが悪くなってしまうし

生育も劣ってくるので

花壇の場合は苦土石灰をまいて

弱酸性から少しアルカリに傾くpH6前後に

土壌改良してから植え付けましょう。

 

植木鉢に寄せ植えする場合は

草花用の培養土を使えば大丈夫です。

 

なお、複数の株を植える場合は

となりの株に葉が触れないよう

株間をとりましょう。

 

 

6:水やり

植え付けの時は、たっぷり水をあげますが

基本的に乾き気味でいいです。

 

鉢植えは土の表面が乾いたら

水をあげる程度で

冬場は、そんなにあげなくて大丈夫。

 

鉢を持ち上げてみて、

あまり軽かったら水をあげてください。

 

庭植えの場合も、根が張るまでは

しっかり水をあげるけれど、

その後は、ほとんどあげないですね。

 

2〜3週間雨が降らないなど

激しく乾燥しているときや

葉っぱが下向きになりかけたら

水をあげてください。

 

ここで、注意すること。

葉の上から水をまくと

葉っぱの上やすき間に水が溜まっちゃいますよね。

気温が高い日だと、溜まった水の部分から腐ったり

水玉がレンズの代わりになって

葉を焼いてしまうので

暖かい時期は、水やりのあと、

手で葉っぱをパンパン弾いて

水が溜まらないようにしてあげましょう。

 

鉢植えなら横向きに倒して

葉の上の水を落とすといいですよ。

ティッシュで水を吸ってあげるとかね。

そういう優しさがあるといいですね。

 

 

7:肥料について

元肥には、10−10—10や8—8—8の

緩効性化成肥料を使っています。

追肥は、基本的に不要です。

 

葉ボタンに肥料を多くやり過ぎると

色がグリーンに戻っちゃうことがあるので、

10月下旬以降は、あまり肥料をやらない方がいいんです。

 

とはいえ、肥料がゼロにならないようにしたいので

葉っぱの色が薄くなったら

(緑色の部分がくすんできたら)

液体肥料を使って

発色を上手にコントロールしましょう。

 

 

8:花が咲いたら、どうする?

春になると「菜花」が咲きます。

最近は、花を咲かせる人が

増えてきているけれど

花が咲いてタネができると枯れるのが早まっちゃうんですよ。

 

なので、少しでも鑑賞期間を長くしたい方は

3〜4月頃、花茎が上がってきたら

下の方からポキッと折って

タネを作らないようにしましょう。

 

2年目で「踊り葉ボタン」に仕立てたいなら

早めに茎を折った方が芽吹きも良くなります。

「踊り葉ボタン」とは、よく名づけたもので

葉っぱの付け根から新しい芽が伸びて

高い位置に枝葉がポンポンポンと

まるで、蝶が乱舞しているような感じに

伸びていきます。

 

近年は「踊り葉ボタン」に仕立てたものも

売られていますが

読者のみなさんには

ぜひ2年目の踊り葉ボタンに挑戦していただきたいです。

 

 

9:病害虫対策

一番気をつけたいのは「イモムシ類」ですね。

ヨトウムシ、アオムシ、

そして、チョウや蛾の幼虫たち。

 

購入したあと、暖かい小春日和が続いていたら

チョウに卵を産みつけられたかもしれません。

卵が孵ってしまうと、

アオムシに葉っぱを食べられることがありますが

目に見える大きさなので

捕殺が一番いいと思います。

 

食べるものではないので

予防にオルトランなどの薬を

使っておくのもいいでしょう。

オルトランDX

 

寒くなると、害虫の心配はほとんどありませんが

春先3月頃からは

アブラムシに気をつけてください。

 

病気については

10月から春までの間、

ほとんど心配する必要はありませんが

肥料の量が多くなると病気が出るので

やり過ぎに注意しましょう。

水も、やり過ぎないようにしてくださいね。

(暖かくなったら、水分をかなり必要とするので

水を多めにあげてください)。

 

 

Q&A

Q:外側の葉っぱが黄色くなって枯れてしまいました。どうしたら良いでしょうか。

A:葉ボタンの葉は、外側からだんだんと枯れていきます。外側の葉が黄色く変色して枯れてきたら取り除いてあげれば大丈夫です。全体的に元気がないとか、内側の葉が変色していたら病気の可能性がありますので、相談コーナーにメールをください。

 

投稿日:2023年12月13日

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矢澤先生のプロフィール

ホームセンタータイム
ガーデンアドバイザー
矢澤 秀成 先生

矢澤 秀成 先生

現在、やざわ花育種株式会社、葉乃畑合同会社に所属し、代表取締役社長を務める。
種苗会社植物バイオ研究室に16年勤務し、多くの花や野菜を開発する。その間、国内新花コンテストで金賞を含む18回入賞、社内では社長賞2回受賞する。
種苗会社退職後、大手ホームセンター商品開発部長及び顧問、大手肥料メーカー顧問、パテント会社代表、野菜市場顧問、ガーデンセンター顧問などを歴任。多くの植物園などのヘッドガーデナーや監修を行う。
育種家として、多くの個性的な花や野菜、漢方薬などの新種育成を行っており、18年前から全国各地の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う。子供たち自身が交配して世界に一つだけの小さな種を作り、その種を大切に育て世界に一つだけの花を咲かせる授業を行っている。さらに「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、2002年から地域の花好きを育て、そして花の街を育てる「花のマイスター養成制度」を提案しスタートする。現在全国各地でマイスターを育てる花の学校を開校し、マイスターと共に花いっぱいの公園づくりや街づくりに取り組んでいる。
NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」、NHK長野「ひるとく」、BS-日テレ「麗しの庭散策」、SBCラジオ「ずくだせ エブリデイ」、篠ノ井有線放送「花暦」などの多くの園芸番組の講師として出演中。全国で講習、講演活動を多数行い、園芸関連多数執筆中。