でんえん

SNSをフォローして最新情報をCHECK!

INNATURA

矢澤先生によるコラム 教えて!矢澤先生!

育種家として第一線で活躍する
矢澤秀成さんによる園芸の旬な情報をお届け

第79回「ラズベリー」で収穫を楽しむ庭に!

みなさん、こんにちは!

園芸研究家の矢澤秀成です。

 

このコラム、じつは今回が最終回となります。

長い間、読んでくださったみなさまには

心より感謝申し上げます。

今後は、講習会などで直接、

お目にかかることができたらと思っていますよ。

 

さて、最終回は料理好きの私の庭に欠かせない

ベリー系果実のご紹介です。

とくに、ラズベリーの実は赤色だけじゃないので、

オレンジや紫、黄色などいろんな色の実がなると、

とっても楽しいですよ。

花もかわいいし、1回植えたら10年〜20年くらい

毎年、収穫できるところもオススメですね。

 

私は収穫したラズベリーでジャムを作っています。

酸味が好きなので、

レモンなどの柑橘類をちょこっとしぼってね、

ペクチンは使わず、砂糖は少なめにして

自然な甘みを楽しみます。

 

だけど、最初に作ったラズベリー・ジャムは、

タネが歯に詰まってたいへんでした(苦笑)。

ラズベリー・ジャムは、裏ごしして

タネを取り除いて作りましょう!

 

ということで、第79回は、

「ラズベリー」のお話です。

 

 

:ラズベリーについて

ラズベリー、ブラックベリー、ジューンベリーなど

「ベリー」という名前の果樹はたくさんあります。

多くはバラ科の植物なんですが、

ブルーベリーはツツジ科、マルベリーはクワ科ですね。

 

ラズベリーはバラ科に分類されています。

 

同じバラ科のベリーにも

ジューンベリーのような立ち性のものと、

ラズベリー、ブラックベリーのような

つる性のものがありますよ。

 

 

:苗を植え付けよう!

ラズベリーの苗を植えるのは

本来、11〜12月あたりなのですが、

ホームセンターの売り場には

春の果樹苗として2〜3月頃に並ぶようですね。

ちょうど根が動く前のタイミングなので

この時期に植えるのもOKなんです。

ラズベリー売場
ラズベリー売場

そこで、苗を買ってきたら、

すぐ植える準備をして

3月上旬までには植え付けましょう。

 

植え付ける前に、当日でいいので苗を

水に1時間ぐらいつけてから植えるといいですよ。

 

そして、植える場所を決めたら

深さ50 cm×幅40 c mの植え穴を掘り、

掘り上げた土の4割程度の分量の堆肥を入れて

土とよく混ぜます。

この作業も、植える当日で大丈夫です。

 

苗の根を広げて植え付け、

地際から40 cm程度の高さまで切り詰めます。

切り詰めると下からも、横からも

芽が出てきて枝の数が増えます。

 

植え付け後は十分に水やりをして、

株元に乾燥・雑草防止のために

腐葉土でマルチングをしましょう。

腐葉土

バラ科の植物は、根が乾くと、

ちょっと弱っちゃうんで、

マルチングした方が元気になります。

 

複数、植える場合は株間2 mぐらい。

 

ラズベリーは、地下茎で横へ横へと

う〜んと伸びていくんです。

結構、伸びますよ。

しかも、最初に植えた元株から、

ちょっと離れたところに新しく芽を出すんです。

そうやって移動しながら成長していくんです。

反対に、元株は2年ぐらいで消えて無くなっちゃう!

おもしろいでしょう?

 

ここで気をつけたいのは、

ずっと移動し続けられると栽培場所が一定しなくなること。

そこで、私は2年ぐらいを目安に

最初に植えた場所に株を戻しています。

そうしないとね、あっちにいったり、こっちにいったりして

コントロール不可能になっちゃうんです。

 

とくに、家の塀やフェンスに絡ませたいならば、

どんどん移動されると、塀やフェンスのないところに

移動してしまって、手のつけようがなくなりますから、

ときどき掘り上げて、もとのところに

移植してあげましょう。

 

 

:ラズベリーは垣根仕立てに!

横に広がって伸びるラズベリーは

株の両側3〜4メートルぐらいに、

ビヨーンと伸びていくので

横に横に流すように垣根仕立てにすると

花がよくついて、実つきも良くなります。

 

植え付けのとき、一緒に支柱を立ててもいいし、

壁やフェンスに絡ませてもいいでしょう。

とにかく、横に横に、垣根仕立てという方法で

仕立てていきます。

このとき、ポイントは横に流すこと。

真横から、ちょっと上向きもOKなんですけど、

下向きになると、下向きになったところから枯れちゃいます。

バラ科の植物は、下向きになると、なぜか枯れちゃうので

下には向けないようにしましょう。

 

 

:水やりは、土が乾いたらたっぷり!

水やりは、表面の土が乾いたらたっぷり与える、

これが基本。

 

なのですが、じつは私の庭では

ラズベリーに水やりしたことがないんです。

割とほったらかしで大丈夫なんですよ。

 

本当に乾燥した時には

葉っぱが垂れたようになるので、

そうなったらたっぷり水やりしてください。

 

 

:葉っぱが黄色くなったら肥料切れです!

苗を埋めるときに、堆肥も同時に入れて

植え付けから2週間後に緩効性化成肥料を

パラパラと適量、施すといいでしょう。

または、緩効性化成肥料を元肥として

混ぜてもらっても構わないですよ。

緩効性化成肥料
緩効性化成肥料

もしも、生育途中で葉っぱが黄色くなったり、

色が淡くなったら肥料切れのサインです。

ここまで変色したら結構危ないサインなので、

まず、液体肥料を施し、それから追肥しましょう。

液体肥料

 

:収穫期間は品種によって異なります!

収穫のタイミングは、開花後1カ月くらいが目安ですが

花の咲く時期、収穫期間は、品種によって違うので

購入される時に確認してみてくださいね。

 

もともとは一季なりといって

1年に1回だけ実がなるものでしたが

最近、初夏から夏にかけて何回も収穫できる

四季なりのラズベリーも登場しています。

 

一般的な一季なりのラズベリーの収穫期間は、

6月中旬から7月中旬にかけてです。

秋に収穫できる品種の場合は、

9月上旬から11月中旬までですね。

 

収穫方法は、つまんで収穫するだけなので

とっても簡単。

ムニュムニュッとした果実の

触りごこちも楽しいですよね。

 

ちなみに、ラズベリーは、もともと

前年に伸びた枝に花芽をつけて実るものだったので

植えた1年目は収穫できなかったんですね。

だけど、近年、1年目から収穫できるタイプも

増えてきていますよ。

 

 

:剪定は忘れずに!

ラズベリーの剪定には、

冬季の剪定と夏季の剪定があります。

 

冬季の剪定は、春の発芽前までに行う切り戻し作業です。

 

夏季の剪定は、収穫が終わった後の剪定。

根元からバサッと切ります。

このとき、幹にトゲがあるので

怪我をしないよう気をつけてくださいね。

 

私は、絶対に、皮手袋をつけて剪定しています。

 

 

:気をつけたい害虫と病気

病害虫については、意外かもしれませんが、

ほとんど問題ありません。

見かけるとしたら、ハダニ、毛虫、ハマキの幼虫、コガネムシ。

ちょっと気をつけたいのは、アブラムシですね。

 

花が咲いてる時や、つぼみの時期などに

アブラムシが出てきます。

夏場に乾燥したり、気温差があると

ダニが出ることもありますが

収穫時期が近いので、できるだけ農薬ではなくて、

自然農薬や重曹などを使いたいですね。

重曹

病気については、灰色カビ病が発生しやすいので、

6月から7月下旬に枝葉の整理をして

通気性を良くしましょう。

湿気があるとよくないんですよ。

乾かし気味の方がいいと思いますよ。

 

そういう意味でも、私はほとんど

ラズベリーに水をあげたことがないですね。

ほったらかしでも、結構ちゃんと収穫できますよ。

 

投稿日:2026年2月11日

この記事のカテゴリ

矢澤先生のプロフィール

ホームセンタータイム
ガーデンアドバイザー
矢澤 秀成 先生

矢澤 秀成 先生

現在、やざわ花育種株式会社、葉乃畑合同会社に所属し、代表取締役社長を務める。
種苗会社植物バイオ研究室に16年勤務し、多くの花や野菜を開発する。その間、国内新花コンテストで金賞を含む18回入賞、社内では社長賞2回受賞する。
種苗会社退職後、大手ホームセンター商品開発部長及び顧問、大手肥料メーカー顧問、パテント会社代表、野菜市場顧問、ガーデンセンター顧問などを歴任。多くの植物園などのヘッドガーデナーや監修を行う。
育種家として、多くの個性的な花や野菜、漢方薬などの新種育成を行っており、18年前から全国各地の小学生を対象にした授業「育種寺子屋」を行う。子供たち自身が交配して世界に一つだけの小さな種を作り、その種を大切に育て世界に一つだけの花を咲かせる授業を行っている。さらに「人は花を育てる 花は人を育てる」を掲げ、2002年から地域の花好きを育て、そして花の街を育てる「花のマイスター養成制度」を提案しスタートする。現在全国各地でマイスターを育てる花の学校を開校し、マイスターと共に花いっぱいの公園づくりや街づくりに取り組んでいる。
NHK総合TV「あさイチ」、NHK-ETV「趣味の園芸」、NHK長野「ひるとく」、BS-日テレ「麗しの庭散策」、SBCラジオ「ずくだせ エブリデイ」、篠ノ井有線放送「花暦」などの多くの園芸番組の講師として出演中。全国で講習、講演活動を多数行い、園芸関連多数執筆中。