第2回カンタン!おいしい!ミニトマト
第2回 カンタン!おいしい!ミニトマト
みなさん、こんにちは!
園芸研究家の矢澤秀成です。
突然ですが
僕は食べるのも、料理をするのも大好きです。
近頃は食材の価格が不安定なので
料理好きには悩ましい限り。
ということで、
第2回は
おいしい夏野菜の代表選手
「ミニトマト」についてお話しします。
ミニトマトって、すごく、お得ですよね。
1株で100個とか
平気で収穫できちゃいますから。
プランターでも育てられますよ。
この夏は、
たくさん実のなるミニトマトを育てて
食卓を明るく彩りませんか!!!
目次
1:ミニトマトは、種類がたくさん!
トマトの原産地は、南アメリカ大陸のアンデス地方。
だけど、だいぶ品種改良が進んでいるので、
マイクロ系のちっちゃな原種トマトと比べたら
ずいぶん変化していますね。
トマトは大きさ別に
大玉、中玉(ミディ)、ミニトマトの
3種類に分けられます。
一番人気があるのは「ミニトマト」。
日本の暑さや蒸れにも
耐えられる品種が増えて
とっても育てやすい。
初心者にオススメです!
しかも、たくさん収穫できる!
野菜を作るなら
まず、ミニトマトから
挑戦してみましょう。
ミニトマトよりちょっと大きめの
フルーツ系トマトも人気がありますよ。
2:日本の「トマト」は世界イチ旨い!
日本の生食用トマトは世界イチ旨いと思います。
フランスなど欧米では料理用トマトが主流なのですが
日本では、生食用の育種が盛んに行われてきました。
各メーカーが糖度の高さ(甘さ)を
競うように開発していて
あま〜いミニトマトの品種が
次々と登場しています。
たくさんあり過ぎるから
「どれを育てようかな」って迷っちゃいますよね。
迷いに迷って結局、
スーパーに並んでいるような「アイコ」とかね、
名前を知ってるミニトマトを買っちゃう、
そんな方も多いのではないでしょうか。
または、
ちょっと高値だけど、デルモンテさんなど、
トマト関連メーカーの苗を手に取る方も多いですね。
3:生産者さんが作る苗は育てやすい!
実は、ホームセンター タイムの場合、
メーカーから仕入れる苗だけじゃなく、
地元の生産者さんが育てた苗が手に入るんです。
苗の「地産地消」ですね。
地域の農業応援、という意味もありますが
ここだけの話!?
生産者さんが作る野菜苗には
「育てやすい」「おいしい」という
メリットがあるんですよ。
生産者さんは、やっぱり、
よくご存知なんですよね。
しかも、少量をしっかり育てるから
初心者の方にも育てやすい、丈夫な苗ができるんです。
最近のトレンドは、「ピンキー」のように
うす皮できめ細やかな肉質のミニトマト。
口の中に皮があんまり残らないから食べやすくておいしいんです。
それから、イエローやピンク、オレンジなどカラフルなものや
プランター栽培に適した品種なども
生産者さんから直接、出荷されています。
よかったら一度、
売り場でメーカー(ナショナルブランド)の苗と
生産者さんの苗をじっくり見比べてみてくださいね。
4:ミニトマト苗の選び方
ミニトマトの苗に限らず
野菜の苗は、
トップシーズンに出荷された
新しい苗を購入しましょう。
ちょっと時期が遅れると
苗が古くなって
活着(かっちゃく=根づいて生長すること)が
あまり良くないんです。
選び方は、
第1回の「ペチュニア」と同様に
タイムの売り場で
苗をポットからそっと抜いて(笑)
根がゲンキかどうか確かめること!
花芽はついていない方がいいです。
花芽がついていたら、
古い苗だと思っていいでしょう。
5:植えつけの前にしっかり給水を!
ミニトマトのポット苗を購入したら
翌日、すぐに植えましょう。
その前に、
私は買った日の夜、ひと晩の間、
苗に水分をしっかり吸収させます。
やり方は、とっても簡単。
バケツの底に水を5cmぐらい入れて
そこにポン、ポンと
苗をポットのまま置くだけ。
ひと晩、水に漬けて、
苗全体に水分を行き渡らせ
葉っぱが“ピンピン”の状態になってから
植えつけます。その方が活着しやすいですよ。
6:プランターを準備しよう!
今回は、プランターで育てる方法をご紹介します。
最近は、ミニトマト栽培にもってこいの
いいプランターがあるんですよ〜。
その名も
「底面給水型プランター」!
私も使っています。
文字通り、鉢の底面に水が貯まる仕組みなので、
屋外に置いておけば
自然と雨水が底にたまります。
その水を
底まで伸びた根が吸収するので
水の管理は放ったらかしでも大丈夫。
これ、めっちゃくちゃ便利でしょう?
以前、このプランターに
トマトの苗を植えてから
収穫までに水をやったのは
最初の植えつけの1回だけでした。
一切、水やりしなかったんです。
あんまり乾燥する年は
状態を見て水やりが必要だと思いますが
底面給水型プランターではない
普通のプランターで育てる場合でも
ミニトマトの水やりは
活着した後なら、週1回も必要ありません。
10日に1回ぐらいでいいと思いますよ。
水がない方が、トマトも頑張って甘くなるから
トマトは、甘やかしちゃダメ(笑)。
7:支柱を立てよう!
ミニトマトの苗は自立が難しいので
支柱を立てる必要があります。
その点、底面給水型のプランターは、
支柱をワンタッチでセットできるようになっているので、
ホントにラク。
初心者さんにオススメです。
支柱を立てたら園芸用の結束材で
支柱と茎をくるっと結びつけて固定します(誘引)。
結束材は「ビニタイ」という
ワイヤー入りの樹脂製タイが主流ですが、
最近は園芸用の紙テープも登場しています。
これも、とっても便利です。
ちなみに、
ミニトマトは成長が早いので、
定植したと同時に支柱を立てたほうがいいです。
「1週間後でいいや」なんて後回しにしたら
予想以上にグンとのびていて
間に合わなくなっちゃいますよ。
8:土と肥料は、どうする!?
土は、一般の野菜用の培養土で大丈夫です。
培養土をプランターに入れて、
1鉢に1株だけ植えましょう。
3株も植えたら、
ジャングルみたいに
ぐっちゃぐちゃになっちゃうので
注意してくださいね。
あと、培養土には
必ず初期肥料が入っているので
1か月くらいは肥料をあげなくてOKです。
ただし、1か月経ったら
肥料を追加しましょう。
タイミングの目安は
花芽が咲き始めてきた頃。
1回目の追肥を与えてください。
追肥は、液体でも、緩効性化成肥料でも、
どちらでもOKですよ。
「化学肥料をあんまり使いたくないな」と思うなら
有機肥料という選択肢もあります。
9:ウイルス、アブラムシに注意!
気をつけたい病気は
「タバコモザイクウイルス(TMV)」。
TMVに対する抵抗性の高い品種が
出回っていますので、
そういう品種を選ぶのもいいですね。
このウイルスは
アブラムシで感染するんですよ。
葉っぱがまだらになって生育不良になり、
トマト自体もまだらになります。
アブラムシは、
体内に入っているTMVというウイルスを
キュッて茎に注射して出し、
おいしい樹液ととりかえっこして飲んじゃうんです。
だからね、アブラムシを見つけたらつぶす!!!
早めに対処した方がいいですね。
害虫よけの薬も、たくさん出てるけど、
収穫期になると化学系農薬は避けたいですよね。
アブラムシを見かけたら
自然農薬を用意しておいた方がいいでしょう。
そのほか、
ダニが結構つくので、
ダニ予防も必要です。
ダニ用の殺虫剤で予防できますが、
最初から農薬をかけずに
葉っぱのオモテ・ウラに
霧吹きで“シュッシュッ”と毎日、
水をスプレーしておけば
ある程度予防できますよ。
Q&A
Q:収穫直前にミニトマトの実が割れてしまいました(涙)。
A:食べどきだと考えて、すぐ食べましょう(笑)!
多量の水やりや降雨が原因で
ミニトマトが裂果してしまうことがあります。
収穫期には、プランター(植木鉢)ごと
軒下など、雨の当たりにくい場所に入れて、
土に雨が直接、あたらないようにしましょう。
とはいえ、水をまったくあげない訳にはいかないので
割れないようにするのは難しいんです。
水やりのタイミングの目安は、
ピンとしてた葉っぱが、
しおれて下がってきたら。
水の量は、湿らす程度で十分です。
また、できれば一番下の葉っぱが
黄色くならない方がいい。
水を抜いてくると黄色くなってくるので、
これが、なかなか難しいんですけどね。
水の管理はホントに難しいので
割れたら収穫期だと思って、すぐに食べることです(笑)。
割れた方が、湯むきもラクじゃないですか!
何事も、前向きに考えて気楽にいきましょう!
Q:収穫量を増やしたい!
A:通常は、茎の一番上を摘芯して芽摘みします。
出荷をする生産者さんならば、
そうやって充実した実に育てるんですけど、
一般の方は出荷しませんよね。
数で勝負、ということであれば、
芽摘みを全部しないで枝数を増やし、
下からシュッと出てくる枝も誘引して生かしましょう。
実の大きさは、少しちっちゃくなりますが
ちっちゃい方がお弁当にも入れやすいじゃないですか(笑)。
数で勝負! たくさん実らせちゃいましょう。
Q:大量に収穫できて困っています!
A: ミニトマトが大量にとれた場合は
湯むきして、グラニュー糖のシロップ漬けにすると旨いですよ!
砂糖はグラニュー糖がいいです。さっぱりするから。
夏場の疲れたときにぴったり!
透明の小皿に入れて、シロップもちょこっと入れて
ミントも浮かせば
急いでる時のひと皿にもなるし、
子どものオヤツにもちょうどいい。
コツは、4色以上のミニトマトを育てること(笑)!
イエローやピンク、オレンジ、レッドの4色あれば
宝石みたいにキラキラして、とってもキレイ!
冷蔵庫をあけるたびに、うれしくなりますよ(笑)。
いろんな色のトマトを買い揃えるのは大変だけど
自分で栽培すれば、毎日、収穫できますからね。
かき氷や、ケーキにのせてもいいですよ。
Q:畑(露地)でミニトマトを育てたい!
A:育苗をしましょう!
ポット苗を買ってきて、そのまま植えてもいいんだけど、
畑に植えるなら、もうワンクッション!
ひと回り大きなポット(3号→5号)へ仮植して20日間ほど育苗してから植え付けます。
活着が良くなりますよ。
支柱は、合掌式。
育ってきたら摘芯しましょう。
投稿日:2022年3月25日